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RFIDの歴史:誕生から現代のスマート社会を支える技術へ

RFID(Radio Frequency Identification)は、今日では物流・製造・小売・医療まで、あらゆる領域で使われる無線識別技術です。その歴史は意外にも古く、第二次世界大戦中にまでさかのぼります。ここでは、技術の誕生から標準化、そして現代のIoT社会で果たす役割まで、確かな史実に基づいて辿ります。

第二次世界大戦で芽生えたRFIDの原型

RFIDの概念は、第二次世界大戦中に導入された「IFF(Identify Friend or Foe:敵味方識別)」システムに起源があります。当時、レーダーで航空機を捕捉できても、それが味方か敵かを判別する術がなく、誤射を防ぐための仕組みが求められていました。IFFは、航空機に取り付けたデバイスがレーダー信号に応答することで味方であることを示すもので、その「受信した電波に対して応答を返す」「電波を反射させる」といった仕組みは、後にRFIDの基本原理へとつながっていきます。

戦後の研究と商用利用の芽生え

戦後の1950~60年代になると、電磁誘導や無線通信を利用した識別技術が研究分野で活発になります。まだ“RFID”という名称こそ一般的ではありませんでしたが、電波を使って物体や動物を識別する技術の基礎がこの時期に形成されました。

1970年代に入ると、RFIDに近い技術の商用利用が始まり、家畜識別システム、固定資産管理、盗難防止タグ(EAS:電子記事監視)などで利用されるようになります。この頃から実用レベルのタグやリーダーが登場し、RFIDという技術が社会実装の第一歩を踏み出しました。

さらに1983年には、アメリカの発明家チャールズ・ウォルトン(Charles Walton)がRFID関連の特許を取得し、RFID技術の商業化に大きく寄与したことで知られています。ウォルトンは、現在広く使われる無線認証デバイスの基礎となる構造を樹立した人物とされます。

MITを中心としたAuto-IDセンターの設立と標準化の加速

1999年、RFID普及の大きな転換点となる出来事が起こります。マサチューセッツ工科大学(MIT)が中心となり、「Auto-IDセンター」が設立され、RFIDとインターネットを組み合わせた大規模物品管理の研究がスタートしました。この組織は、RFIDタグに割り当てられる識別番号「EPC(Electronic Product Code)」の概念を打ち出し、世界中のモノをネットワークにつなぐ構想を明確に示しました。

2003年にはAuto-IDセンターの活動が発展し、標準化団体であるEPCglobalと研究組織のAuto-ID Labsへと分化します。EPCglobalは国際EAN協会(後のGS1)と米国UCCが出資して設立され、RFIDの国際標準策定を推進しました。ここから、産業界全体で統一された規格のもとにRFIDの普及が進むことになります。

2000年代の商用普及と企業の参入

2000年代に入ると、サプライチェーン管理を中心にRFIDの実証実験や導入が急速に広がりました。流通・小売の大手企業が物流管理にRFIDを取り入れ始め、世界的に「RFIDによるトレーサビリティ強化」が注目されるようになります。

RFID技術を牽引する企業も台頭し、2000年に設立されたImpinjはUHF帯RFID技術の開発で重要な役割を果たしました。また、Alien Technologyなどの企業もタグやリーダーの製造を拡大し、RFIDの商用利用を後押ししました。

日本国内では2004年に「EPCglobal Japan」が発足し、国内での標準化・普及活動が本格化します。この頃から、小売・物流・製造を中心にRFIDの導入が徐々に広がっていきました。

IoT時代に進化するRFID

近年、RFIDは「識別技術」の範囲を超え、IoTの主要要素として再注目されています。EPCネットワークの思想は、「世界中のあらゆるモノをネットワークに接続し、状態を可視化する」IoTの概念そのものです。

温度や湿度を取得できるセンサー内蔵RFIDタグや、小型・低消費電力のリーダーの登場により、従来の物流管理に加えて、医療・工場設備・資産管理など活用領域はさらに広がっています。RFIDは、ただモノを認識するだけではなく、「データを取得し、つながる未来」を現実のものにしつつあります。

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