RFIDシステムにおいて、アンテナは電波を送受信する重要な役割を担います。アンテナの種類によって、読み取り範囲や用途が大きく変わるため、目的に合ったアンテナを選ぶことが重要です。
RFIDアンテナは、形状によっていくつかの種類に分けられます。
ゲート状に設置して、通過する人や物に取り付けられたタグを読み取るのに使用されます。物流倉庫や図書館の入退館ゲートなどでよく見られます。
トンネル状に設置して、内部を通過する物に取り付けられたタグを読み取るのに使用されます。工場の生産ラインなどで、搬送される製品の管理に利用されます。
ハンディタイプのリーダーに接続して使用するアンテナです。倉庫内での棚卸や、店舗での商品管理などに利用されます。
RFIDアンテナは、電波の偏波方向によっても分類されます。
電波の偏波方向が回転するアンテナです。タグの向きに影響されにくく、安定した読み取りが可能です。
電波の偏波方向が一定のアンテナです。円偏波アンテナに比べて読み取り範囲は狭くなりますが、特定の方向に電波を集中させることができます。
RFIDの読み取り範囲は、様々な要素によって変化します。
アンテナのサイズが大きいほど、ゲインが高くなり、より多くの電波を送受信することができます。そのため、読み取り範囲も広くなります。
補足: ゲインとは、アンテナが電波を送受信する能力のことで、数値が大きいほど、より遠くまで電波を届けることができます。
専門的な言い方をすると、ゲインとは「アンテナの感度や指向性を表す指標で、特定の方向への電波の集中度」を示します。
ゲインが高いほど、特定の方向に電波を強く放射したり、受信したりすることができます。
周波数帯によって電波の特性が異なり、読み取り範囲も変わります。一般的に、UHF帯はHF帯よりも読み取り範囲が広く、マイクロ波帯はUHF帯よりもさらに広くなります。
電波出力が高いほど、電波は遠くまで届き、読み取り範囲が広がります。ただし、電波法による規制があるため、出力の上限は決まっています。
詳しくは、「RFIDの電波出力と通信距離」のコラムをご覧ください。
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周囲の環境も読み取り範囲に影響します。金属や水は電波を吸収するため、近くにあると読み取り範囲は狭くなります。また、他の電波との干渉も読み取り範囲に影響します。
いかがでしょうか。今回は、RFIDアンテナと読み取り範囲についてご紹介しました。RFID・電子棚札ソリューションナビ.comを運営する株式会社サンエスでは、RFIDシステム・電子棚札システムの導入支援を行っています。RFID・電子棚札システムの導入をご検討中の方は、是非お気軽にご相談ください。